木造構造計算ソフト紹介

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いくら理論や手計算が大事と行っても、実務では構造計算ソフトを活用するのが現実です。ここでは定評のある構造計算ソフトを紹介していきます(2018年4月19日更新)。

2017年3月にグレー本の2017年版が発売になりました。今後2017年版が主流になると思います。また46条2項ルート(壁量計算除外ルート)の構造計算ソフトも揃ってきました。情報が入り次第掲載させていただきます。

2018年4月よりツーバイフォー、2018年11月よりCLTのソフトも紹介します。

・新グレー本(2017)対応の木造構造計算ソフト

・46条2項ルート等の特殊な木造構造計算ソフト(木質構造設計規準・木造ラーメン系・46条2項ルート)

・46条壁量計算ソフト

・ツーバイフォー構造計算ソフト

・CLT構造計算ソフト

新グレー本対応の木造構造計算ソフト

HOUSE-ST1 なまあずソリューションのレビュー記事
初心者向けのシンプルな構造計算ソフト

構造計算ソフトの老舗メーカーが放つシンプル操作とグラフィカルなインターフェイスが魅力の構造計算ソフト。初心者にも習得しやすいように、耐震診断ソフトHOUSE-DOCと似たインターフェイスを採用し、3Dモデルで視覚的に筋かいなどチェック出来るのでミスを未然に防ぎやすいです。Ver6より、ソフトウェアプロテクトを採用し運用が非常に楽になりました。また軸数が150となり、構造計算内容・機能も先行する他社にだいぶ追いついた感じです。2017年1月にVer7発売。中大規模木造に対応するため、耐風火打や、トラスに対応しました。

<良い点>
木造部分と基礎を一体で計算できる。
画面がグラフィカルで非常に操作しやすい。習得しやすい。構造初心者にお勧め!
計算の省略など各パラメーターの設定がしやすい
簡単な建物なら2次部材、耐風梁も基礎も一体で計算書を出力出来る。
購入価格が安い。年会費のサポート料金が不要

<ここはちょっと・・・>
STREDSIGNやKIZUKURIに比べて、やや機能不足
複雑な形状が入力しにくい
構造図等の作図が苦手。
年会費はないがバージョンアップ価格・頻度はそれなり(それでも安価な部類)。
同社のHOUSE-シリーズとまったくデータ互換性がない(WOOD-STとは互換性確保予定)。
開発の方向性が見えにくい(初心者向けと思いきや、普通設計しない学校設計の機能を取り入れるなど)

<2017年版への対応状況>
2017年10月に新グレー本2017に対応したVer7.5発売(Ver7のユーザーは無償バージョンアップ)

販売:株式会社構造システム
STRDESIGN
多機能・高性能な構造計算ソフト

新グレー本2017対応で非常に多機能な構造計算ソフト。以前はその難解な操作性から、購入しても使えないとの悪評も立ちましたが、現在はかなり改善されて扱いやすいソフトになってきました。一方初期の価格を知っている人から見ると、高くなったな~と感じてしまいます。入力したモデルでそのまま計算ができ、計算書や図面までできあがるので非常に手軽で便利です。

近年では大規模木造にも力を入れており、大型対応版をリリース。2000㎡まで対応し(通常版は500平方メートルまで)、トラス構造の屋根やA2版の図面出力にも対応しました。混構造オプション、三次元可視化ツール、グリッドポスト基礎工法オプションなどオプション類も意欲的なものが多いです。

<良い点>
多機能・グレー本に比較的忠実に機能を実装してくれる
意匠図通りの入力がしやすい(モデル化の手間が省ける)
斜め壁などの形状の建物に対応・
アーキトレンドZ等との連携機能

<ここはちょっと・・・>
やはり操作が難しい。入力項目が多すぎる。検討時に簡単に検討できるモードが欲しい・・・
ペントハウスは直接入力出来ない
オプションの継続性が非常に難(せっかく買っても継続してくれなかったりする)。私も確認申請オプションと構造自動設計オプションが継続してくれず非常に悲しい思いをしました。
複雑な形状には向きません。
当初は安価な部類のソフトだったが、今はかなり高い。

<2017年版への対応状況>
新グレー本2017に対応したVer17を9月下旬に出荷(新バージョンとして)
久々のバージョンアップのため、Kizukuri同様高めのバージョンアップ費用
Ver17は他にも、平行弦トラス(大型対応版のみ)対応、wallstat連携など機能追加あり。

販売:富士通エフ・アイ・ピー
MOKUZO.Designer
新グレー本対応!!木造構造計算のニューフェイス

新グレー本2017対応の新ソフトで2018年12月発売!!
4号建物の構造設計・計算機能にも力を入れ、軸組図に金物形状を描画するなど、初心者にも気を配った設計となっている。

 

販売:株式会社構造ソフト
KIZUKURI
多くのユーザーをもつ老舗の扱いやすい構造計算ソフト

木造構造計算ソフトのパイオニアで、青本の頃は圧倒的なシェアがありました。現在でも木造構造計算ソフトといえば、kizukuri!といわれるほど代名詞となっています。誰でも直感的に操作でき、チェックも簡単、審査機関の人も見慣れているので審査が早いです。2016年にVer7が公開され、通り数が180通りに拡張され、引き抜き力の算出が変更になりました。事業譲渡後の新バージョン(Ver7.5)が2016年12月に発売され、2017年6月に新グレー本2017に対応したVer7.6をリリース。

<良い点>
見やすい帳票。入力が簡単。審査機関も見慣れている。KIZUKURI MATEなど導入者に易しいサポートが充実している。ユーザー数が多い(シェアが高い)。エラーチェックも明快

<ここはちょっと・・・>
価格が高い。斜め壁に対応していない。品確法の準耐力壁・腰壁に非対応。最近魅力的な機能実装が少ない。
基礎は一体で計算できない(二次部材ソフトが付属)
構造的モデル化が結構必要、最近モデル化に関して確認検査機関からの指摘が多い
2016年に株式会社コンピュータシステム研究所へ譲渡されたため、今後が若干不安と期待。サポートは木造舎が当面行うようなので今後の展開がどうだか・・・。

<2017年版への対応状況>
短期めり込みは対応済み
2017/5/24 短期めり込み低減、添え柱対応、CEDXM入出力機能を追加した正式対応バージョンVer7.6を6月7日にリリース。旧木造舎でのユーザーは有料バージョンアップの模様。

販売・サポート:有限会社木造舎株式会社コンピュータシステム研究所
ぽちっと許容
見やすい構造計算帳票とチェック機能が充実

新グレー本対応で複数の計算方法が選択可能な構造計算ソフト。単体購入だけでなく、保守とセットで購入することができます。NGは場所まで指摘してくれて非常に親切です。さくっと木造シリーズと完全互換なので、同社の積算ソフトを使っている場合は特におすすめです。

WEB上の情報を見ると、WIndows10に正式対応していると明記されていないのが残念です。

<2017年版への対応状況>
HP明記なし

販売:システムハウス福知山
木三郎4・木三郎4大

老舗の構造計算ソフト会社が放つ実用性の高い構造計算ソフト!

 木造3階建ての構造計算に対応したソフト。オプションで省エネルギー計算ができるという特徴的なプログラムです。出力はkizukuriなどに近く非常に読みやすいのが特徴です。保有水平耐力計算や、ゾーン解析によるスキップフロアの解析、ルート2の判定。面材の詳細計算への対応、雑壁の考慮、金物工法への対応など、他社にはない高度の機能を搭載しています。また壁麻呂・ACE許容3と連携して、木三郎4のデータを転送できます。

近年ではルート3(保有)で木造単独で4層を計算できるようになりました。

<2017年版への対応状況>
 現バージョンでの、2015年版 建築物の構造関係技術基準解説書と木造軸組構法住宅の許容応力度設計2017年版に対応

販売:株式会社東京デンコー 
木造一発

アーキトレンドZ構造計算のOEM。単体で構造計算ができます。美しい軸組パースは入力していて楽しくなります。

販売:富士コンピュータシステム株式会社
ホームズ君「構造EX」

振動アニメで有名。wallstat連携オプションを発売した。

販売:インテグラル

木質構造設計規準・木造ラーメン系・46条2項ルート

ASTIM

任意形状に対応した新しいタイプの木造構造計算ソフト

 木質構造設計規準に基づき計算するため、通常の構造計算ソフトとはかなり挙動も入力も異なる。木造ラーメンに対応したり、同社のASCALのオプションがあれば、混構造も一貫して計算できる優れものです。混構造・スキップフロアなど柔軟に対応できます。現時点ではルート2まで計算を行うことができ、2017年夏に保有対応しました(オプション)。

 以前は、非常に大型もしくは不整形な建物のみ、という感じのイメージでしたが、グレー本に対応したオプションを投入したり、壁量計算オプションを投入したりと、簡易な建物にも対応しやすい環境が整ってきました。

販売:株式会社アークデータ研究所
WOOD-ST

46条2項ルートに対応した壁量計算によらない木造構造計算ソフト

 人気の木造構造計算ソフトHOUSE-ST1のユーザーインターフェイスで入力しやすさそのままに、46条2項ルート(ルート2まで)に対応した新しいタイプの木造構造計算ソフト。木質構造設計規準、混構造手引、2015年構造関係技術基準解説書に準拠しています。壁量計算によらないで計算できるので、方杖フレームや、高倍率耐力壁、スキップフロアなどが手軽に実現できます。あえて任意形状とせず、ある程度形状を絞ったことで、構造熟練者でなくてもある程度ついて行けるように工夫されています。HOUSE-STから形状データをインポートできる機能を搭載しているようなので、HOUSE-ST1からのレベルアップ組に最適です。またKIZUKURIなど新グレー本準拠のソフトに物足りなくなったが、任意形状系は不安という方にお勧めです。2017年秋発売。

使って見ると二項ルートのソフトとは思えないほどグラフィカルで扱いやすい反面、パラメーターの設定には細心の注意を払う必要があります。2018年秋に基礎の計算等が追加されたVer1.5をリリース。積み残しをかなり解消し、完成度が高まりました。パワーユーザーを中心に期待が高いソフトウェアとなっています。

販売:株式会社構造システム
SEIN La CREA Premium 木造(オプションプログラム)

あの大臣認定ソフトの木造構造計算オプション

S造やRC造の新制度下の最初の大臣認定ソフトとして有名なSEIN La CREAのオプションプログラム。多機能なSEINで木造構造計算を行う事ができます。2017年秋発売??11月に講習会が企画されています。

ルート3(保有水平耐力)には今のところ非対応。オプションプログラムなので、木、RC、S併用のモデル化が可能。46条壁量計算は可能らしい。木質材料データベースを備える。各パラメーターの設定は任意形状系に近いので汎用性は高い。など期待のソフトです。

2018年春、大幅アップデート予定。

販売:株式会社NTTファシリティーズ総合研究所(SEINWEB)

 

46条壁量計算・4号建物専用

HOUSE-4号
操作性で定評のある耐震診断ソフト「HOUSE-DOC」と似たユーザーインターフェイスを搭載した壁量計算・N値計算ソフト。シンプルな操作性で素早く書類を作成できます。年会費が必要。
販売:株式会社構造システム
ぽちっと壁量
短時間で計算が可能な壁量計算・N値計算ソフト。確認申請だけでなく性能評価申請にも利用できる図書を出力できます。
販売:システムハウス福知山

ツーバイフォー(2×4・枠組壁工法)構造計算ソフト

2×4壁式3
壁式鉄筋コンクリート造ソフトから派生した本格的なツーバイフォー構造計算ソフト。最大地上7階+地下1階に対応。混構造に対応しています。多機能で現在主流の2×4構造計算ソフト。ちょっと画面設計などが古めかしく、使い勝手があまり良くないのが欠点。
販売:株式会社東京デンコー
KIZUKURI 2×4
ツーバイフォー版のKIZUKURI。床構面の検討や頭つなぎの検討など省略している機能もあるが、非常に使いやすくシェアも高い。シンプルな機能で速度も速く、使い勝手も良いのでユーザーの支持は高い。
販売・サポート:有限会社木造舎株式会社コンピュータシステム研究所
らくわく
ツーバイフォー協会が販売する木造二階建ての構造検討ソフト。2×4の壁量計算、構造材の断面算定、接合部引き抜き力計算、基礎の設計支援プログラムです。四号建物向けで構造計算ではないのですが、その分使いやすく四号建物のツーバイフォー建物の設計にお勧めです。本体価格は比較的安価ですが、毎年ユーザー更新費用が発生します。
販売:キャリアネット株式会社一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会

CLT構造計算ソフト

CLT2016許容応力度法
ルート1に対応したCLT構造計算ソフト。3階建てXY方向100スパンまで計算可能。オプションで基礎の計算にも対応。2018年6月発売。
販売:株式会社東京デンコー
CLT構造計算ソフト(名称不明)
2018年秋に発売になったCLT構造計算ソフト。ルート3にも対応した本格的なソフトです。開発元は日本初の工法評定も取得しました。
発表:ライフデザイン・カバヤ株式会社 参考 日本CLT技術研究所

 

2018年11月6日更新

 


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