耐震診断ソフトの選び方

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今まで、簡単にそれぞれの耐震診断ソフトを見てきました。ではどのように選べば良いのでしょうか?

低価格のソフトはサポートと操作性を考えて選ぶ

今回紹介した、耐震CheckⅢは、低価格の割に機能は充実して、バージョンアップもこまめに行っている良心的なソフトです。今回使ってみて、その細かい配慮や機能性には驚かされました。しかしながらミドルレンジ以降のソフトと比較してサポート面でも継続面でも不安が残ります。例えば、Windows Vista/7へは正式対応していない(動作が不安定になるかも)という部分です。最新とその前の主要OSの動作対応が不十分というのは、やはり不安です。
過去に、2004年版対応の、フリーソフトや低価格ソフトを多数試用してきましたが、同様の問題を抱えるソフトが多かったです。ただフリーソフトに比べ、責任がある分、低価格でも有料のソフトのほうがいいと思います。お客様に対しての説明でも有利だと思います。プロが使う道具をケチりまくると思われますので。
ただ、個人の努力でまかなえる点も多いです。特に耐震診断ソフトの場合、次の改訂までは大きなバージョンアップもないと思われます。まずは低価格のもので挑戦して、それからミドルレンジ以降のソフトに挑戦するというのも悪くありません。特に足りない機能を補うのには、勉強すれば良いのです。

充実のミドルレンジのソフトは、業務を行うのに最適

ある意味、建築防災協会のお墨付きである評価は、業務ソフトとしての最低限のチェック機能であることは間違いありません。信頼性の指標にもなります。行政などの耐震診断でも、フリーソフトを認めているところもありますが、プロならやはり信頼性のあるメーカー製のソフトを使うべきだと思います。
初心者にもサポートがあるのは心強いです。またHOUSE-DOCはネット上に情報も多く(弊社も情報提供を行っています)、ユーザーが多いのが強みです。
もっとも、診断自体では、耐震CheckⅢと機能的な差は少なく、割高感は否めません。技術的に自信がある方は、あえて低価格のソフトに挑戦する!というのも悪い選択ではありません。
安心感・サポート・信頼性・付加機能、そのあたりをどう考えるか?がミドルレンジを選ぶポイントとなるでしょう。

高価格帯は、使いこなせるかどうか

やはり評価が難しいのが安心精密診断2012。おそらくミドルレンジや低価格帯で満足できなかった場合に購入する方が多いのですが、初めから購入するか?の問いには、微妙です。
それでも一般診断法に対応しているので、初心者でも努力次第で十分に使いこなすことが出来ます。技量が上がれば、精密診断法1、地震力、精密診断法2とレベルアップしていけばいいのです。もしそれが可能なら、構造計算をやることも可能なレベルになるかもしれません。
木造の構造計算マスターを視野に入れているのなら、高い買い物ではありません。耐震診断で鍛えてから、構造計算へ、というのは非常に良いルートであるのは間違いありません。
文責 なまあずソリューション 石塚 武志(2012年8月6日執筆)


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